第87章 阿部蓮太郎は本当にすごい

「考えた!」有岡哲哉が慌てて弁解する。

「何を考えた? 考えたなら、そこで突っ立ってるわけがないだろう」有岡爺さんが核心を突く。

「おじいちゃん、俺たちだって本当に考えたんだ。ただ……里穂にどう向き合えばいいのか分からなくて」有岡哲哉は強く握りしめていた拳を、ゆっくりほどいた。全身から力が抜けたように見える。

その頃には有岡爺さんの怒気もだいぶ薄れていた。目の前の三人を見て、痛ましげに言う。

「お前たちはまず、自分たちの何が間違っていたのかを考えろ」

そう言い残すと、有岡爺さんは有岡婆さんと一緒に病院へ向かった。

有岡家の三兄弟は送ると言ったが、有岡爺さんは「里穂が顔を見たら、余...

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